メニューにジャンプコンテンツにジャンプ

ホーム> 調べもの> 特集「里正日誌」(りせいにっし)の世界

特集「里正日誌」(りせいにっし)の世界

「里正日誌」活字本が完成!

「里正日誌」は江戸時代から明治時代初期までの旧蔵敷村及び周辺村落の通達や訴状、村相互のやり取りなどの文書をまとめた古文書資料で、市の文化財に指定されています。
市では平成4年度より「里正日誌」の解説・刊行事業を開始し、令和4年度の第6巻刊行で30年間にわたる全13巻の活字本刊行事業が完了しました。

「里正日誌」って何ですか?

概 要

里正(りせい)とは名主のことです。「里正日誌」(りせいにっし)は名主の日誌ですので、行政記録のようなものです。
旧蔵敷村の名主家に伝わった天正元(1573)年から明治6(1873)年までの文書を蔵敷村名主内野杢左衛門敷隆とその子の秀峰杢左衛門徳隆親子が二代にわたって編纂したものです。
(「里正日誌目録」「里正日誌」第6巻序文より)

目 録

昭和30(1897)年頃、明治大学付属明治中学・高校歴史研究会の皆さんによって、「文化里正日誌(上)」から「慶応三年里正日誌」までの目録を作成されたことに始まります(「里正日誌」第9巻序文より)。
その後「大和町史」編纂の過程を経て、昭和49(1974)年に全目録が完成し、それから「里正日誌」全13巻の完成まで約50年という半世紀に及ぶ一大事業となりました。
筆による手書き文字を正確に読み取って活字に起こすまで、楷書が標準となった現在では大変な作業だったことが伺えます。

内 容

内容は年貢の出納、通達や事件簿等を主とするいわば行政資料です。
例えば、第1巻の享保18(1733)年に、この年植え付けた唐芋(甘藷(サツマ))と唐胡麻の成長具合について役所への報告が載っています。経緯については記述がありませんが、当時は享保改革の一環で種芋等を配布して試作させていた様子が他自治体の市史等に記載されていますので、その結果を報告した書類だったかも知れませんね。
出来事の裏付けとなる第一級史料であり、「大和町史」「東大和市史」だけでなく、多摩地区の他自治体の市史等にも引用されるほどの貴重な史料です。

「里正日誌」を読みたい!

「里正日誌」は、東大和市立郷土博物館で販売しています。
東大和市立図書館(中央図書館・桜が丘図書館・清原図書館)では貸出用を備えています。
購入して自宅にコレクションするもよし、試しに借りて読んでみるもよし。
この機会にぜひ「里正日誌」の世界にふれてみてください。